次の計算をしてください。(実際の入試問題では、途中で良く使う計算。)
4000×0.05
いかがでしょうか?
難しくはありません。
愚直に計算すれば答えは出ます。
しかし、面倒がって暗算すると、意外とミスを発生させてしまう確率も高まります。
この問題は、本当に典型的な「計算のくふう」の問題なのです。
知っている方は、即座に次の計算をはじめます。
4000×0.05
=(40×100)×0.05
= 40×(100×0.05)
= 40×5
= 200
いかがでしょうか?
こうすれば楽だし、小数点がからんだ「ゼロ処理」でうっかりミスをする確率が小さくなります。これは結合法則として習う知識の応用です。
でも、本当に真面目な小学生の生徒さんは、次のような筆算をしてしまいます。
4 0 0 0
× 0. 0 5
―――――
2 0 0 0 0
0 0 0 0
0 0 0 0
――――――――
2 0 0. 0 0
これは正確なゼロ処理の技術が必要な筆算で、字が汚い子などは高い確率で桁ずれのミスを起こします。
この計算のくふうの最大のメリットは、
危ない筆算をしないで済ませるということにあります。
大人であれば何気なく工夫するこんな計算も、人生経験のまだ少ないお子様は、先に教えてあげないと真面目に筆算に突入してしまいます。
受験本番において、制限時間内に問題を手際良く処理することは、本当に重要な技術です。
良く使う計算結果や解法をあらかじめ準備(暗記)しておくと、試験当日の答案作成時に計算ミスを起こす可能性を大幅に減らせた上に時間も節約でき、それだけ多く得点することも可能です。
「これはただの知識であって算数の真の力ではない。」というご意見もあります。
その通りです。
しかし、その知識を生かして現実の計算に応用する力は、間違いなく算数力と言えます。
私が算数知識を増やしてほしいのは、
せっかく算数力が高いのに、知らないというだけでテストの点が伸びないお子様がいることを残念に思うからです。
このような「計算のくふう」の知恵はたくさんありますが、代表的なものをお知らせいたします。