IT技術がどれほど発展しようとも、
試験というのは、
人が問い、人が答える行為の集積です。
それは、手書きの答案かマークシート方式か等の手法の違いさえも超えた営みです。
そして試験においては、
どんなに答えを理解していても、
理解していることを適切に伝えられなかったら、
それは、理解していないことと同じです。
例えば、計算問題の選択肢が下記の通りあって、
A:3 B:5 C:8
「選択肢ABCで答えよ」と問われた場合、
計算の正解が 3 だとしても
「答え:3」と記入したら、0点です。
「答え:A」と記入してはじめて得点です。
他にも、「切り捨て」と書いてあるのに四捨五入したり、
「角度は何倍になるか?」と聞かれているのに「45度」と答えたり、
冷静に見れば有り得ない作業ミスが起こります。
朝は「おはよう」と挨拶し、玄関では脱いだ靴を揃え、教わる時は「お願いします」と頭を下げる。
このような社会生活の基本動作と同様に、試験には「答える作法」があります。
答える作法の例:
字を丁寧に書く
途中式を書く
「=(イコール)」の位置を揃える
問われていることを確認する
答えを書く前に解答方法を確認する
自信のある問いから答える(設問順に解答する必要な全くない)
上記で全てではありませんが、答える作法とは、書き方など「作業系の振る舞い」と確認などの「知的配慮」の2種類に分類できます。
答える作法は、テクニック的な扱いをされがちで、一段軽く扱われ易いですが、減点にダイレクトにつながる重要な守備力ですから、極めて重要な嗜みです。
同じプレゼントをもらっても、汚れた袋に入っているよりも綺麗な包装がされている方がうれしいですよね。
採点者も人間ですから、そういうことなのです。
「物の尋ね方」がある様に、「答え方」にも一定の礼儀が必要、ということですね。