あくまで、中学受験を視野に入れた上での話を致します。
数のセンスは、訓練によって養うことができるセンスです。
整数の扱い方、数列の扱い方、偶数の性質、奇数の性質、ゼロの性質、場合の数の分け方などなど、一定の知的水準に達してから訓練した方が、逆に身に付くセンスだと思われます。
例えば、
問題:1から10までを足すといくつになりますか?
という問いがあった時、
1+2+3+・・・+10=
という計算ですが、これを順番に足して行って
1→3→6→10→15→21→28→36→45→55
というやり方がまず考えられますね。
でも途中で面倒になります。
入試では10ではなくて100だったりします。
そうなると、この計算腕力を使ったやり方では時間切れになってしまいます。
もっと楽ができないかな?と考えます。
別解として、
(1+10)× 10 ÷ 2
=(11)× 5
= 55
という風に工夫すればより簡単です。
これなら10までではなくて100まででも時間がほとんどかかりません。
エレガントですね。
これは教わらなくても思いつく天賦の才を持つ方もいますが、大抵は教わって知っているセンスですね。
(計算力が非常に高いお子様は、これくらいの足し算はあっという間に計算してしまいます。そのため逆に「より楽な道を探す」という考え方の習慣がつきにくいので「計算しない力(発想力)」を意図的に鍛える必要があります。)
中学受験を成功させるために必要な、「数のセンス」とは、この例題のように訓練によって獲得できる知恵で充分対応可能なセンスです。
ただし、必要な知恵の量は少なくはありませんので、十分な時間をかけて準備することが肝要となります。